Peace Ex Piece

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鳩とオリーブの葉、付け加えるとするなら人間か 第5話自分にしか出来ないこと

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本作品の内容はフィクションです。
登場する人物・団体・地名等は架空のものであり、実在する人物・団体等とは一切関係がありません。

また本作品には過激な表現が含まれておりますが、犯罪にあたる行為など実際に行われますと、刑法により厳重に処罰されますので絶対に真似しないでください。

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 第5話 自分にしか出来ないこと

 

目を覚ますと博士の研究室のベッドにした。

光一「なんでここにいるんだ?」

博士「首都の道端でボロボロの姿で転がっておったんじゃよ」

博士が隣にいた。本を読んでいる。題名は影分身のやり方。くそどうでもいいし出来ねぇだろっと思う。

そうか。俺はゲイシーとかいう殺人ピエロと戦って負けたんだったな。しかも腕が伸びたり人形召喚したりとあれは確実に人間じゃない。まず人間は人間を食わねぇと思う。

光一「人間って腕伸びないよな? 人間って人形召喚しないよな? 人間って……。人間を食べないよな?」

一応聞いてみよう。博士ならなにかわかるかも知れない。

博士「バカにしとるのか? それともアホになったのか? トチ狂ったのなら精神科紹介するぞ」

聞かなきゃよかった。

光一「その読んでいる本閉じて真剣に話聞いてくれよ。俺はその人間ともわからないやつにボコられたんだ」

博士が心底ビックリしたような顔で本を閉じた。

博士「能力を使ってもボコられたのか!?」

光一「そうだ。俺はあいつに勝てなかった。次会ったら命すら危ういと思う」

博士に何があったか細かく伝えるとしよう。もうバカにはしないだろう。

  

自分にしか出来ないこと2

 

博士「光一はゲイシーを倒したいんじゃな」

光一「もう人を食わせるわけにはいかない」

次は返り討ちにしてやる。

博士「危険じゃぞ。死んでしまうかもしれない。それでも立ち向かうんじゃな」

光一「俺にしか出来ないことだから」

俺以外に能力者は確認出来ていない。警察を歯が立たないだろう。なんせ俺よりも高速移動するし。

光一「博士頼みがある。」

博士「なんじゃ? わしの出来る限りのことならなんでもするぞ」

打倒ピエロだ。やつの殺戮を止めてやる。

 

自分にしか出来ないこと3

 

あれから一週間たった。長かったぜ。毎晩、博士のドローン(カメラ付き小型飛行機)と共に徘徊しこの日がきた。ここは首都の一番大きなビルの屋上。ヘリの発着場なのかかなり広い。そこにゲイシーは、居た。

光一「探したぜ。殺戮ピエロさんよぉー」

ゲイシー「自己紹介はしたはーずですガ? 私にはゲイシーという立派な名前があるのでス」

こいつの声を聞くだけで腹が立つ。一週間ぶりの対面だ。俺は殺されかけてからゲイシーを倒すことだけ考えていた。保育園に行くのが億劫に感じたのは初めてだろう。

 

 自分にしか出来ないこと4

 

『こうちゃんさ。最近怖い顔してるよ? ニッコリしなくちゃ!』

なんて咲希に言われたっけな。表情筋鍛えなきゃそろそろ仕事にも影響がでちまう。保育園の仕事が終わったらひたすら打倒ピエロの修行だ。どうすれば勝てる? 試行錯誤を博士と行った。博士には街中をドローンに監視してもらった。いつでもピエロを発見したら潰しにいけるようにだ。もちろん修行をある程度したら俺も街に出た。だがなかなかピエロは現れなかった。その代わりなんだがピエロが召喚したと思われる人形とは何回を遭遇した。人形は普通の人間の身体能力よりは上だが俺の身体能力よりは下だった。人形にカメラが付いているかもしれないとの博士の指摘があったので出来るだけ手の内を明かさないように人形を破壊しなければならないのいうのが手間だった。

『少し光一のネックレス改造させてくれんかの? カメラとマイクをつけるんじゃ。そうすれば戦いの手伝いが出来るじゃろ?』

『いやまてよ。俺のプライベート無くなるじゃねぇか』

『ちゃんと機能オフのやり方も教えるぞよ?』

『ぞよ? じゃねぇよ!』

博士にネックレス改造されたりした。鳩が葉っぱ加えてるデザインは変わっていない。プライベートも引き換えに博士の助力……。辛すぎるぜ……。

『死ぬかと思ったっぽー! もう僕怖い思いはこりごりっぽー!』

とかピースが言い出したので置いてきた。戦力にもならんし狙われたら足手まといだからだ。あっという間に鳩が天に昇ってしまうだろう。隙あり! てな感じで俺まで昇天しかねない。

 

自分にしか出来ないこと5

 

光一「何はともあれ、お前のおかげで俺の一週間は充実してたぜ」

目的があるってのは良いことだ。だらだらと時間を浪費しなくていい。

ゲイシー「それは何よりですネ。それデ? 私に何のようですカ? 」

決まっている。

光一「お前にはもう二度と人を食わせない。ここで消えてもらう」

人間じゃないやつを消そうが罪には問われないだろう。アリを踏もうが罰せられることはない。それと同じだ。深く考えるな。俺は犯罪者ではない。

ゲイシー「アッハハハハハハ! 笑っちゃいますネ~」

ゲイシーが突然笑い出した。

ゲイシー「ヒーロー気取りデスカァ? 英雄にでもなりたいんデスカァ? 偽善者とか反吐がでますネ。オッエェェェェ! キモチワルイデスネ。あなたには絶望して盛大な悲鳴を上げて凄惨な死がお似合いですヨォォォォ」

光一「俺は普通にはなれないから俺にしか出来ないことをやるだけだ! それと気持ち悪いのはお前のほうだろうが! 」

そうだ。何で俺が命をとして戦わなければならないだ! とか思わないわけじゃない。でも俺が戦わないで人が食われるのだとしたら嫌だ。俺は俺の意志で。

光一「お前を消す」

ゲイシー「イッツぅぅぅショぉぉぉぉータイム!」

ふざけた言葉共に戦いの幕が開けた。

 

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