Peace Ex Piece

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鳩とオリーブの葉、付け加えるとするなら人間か 第20話 永久のような一瞬を重ねたい

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本作品の内容はフィクションです。
登場する人物・団体・地名等は架空のものであり、実在する人物・団体等とは一切関係がありません。

また本作品には過激な表現が含まれておりますが、犯罪にあたる行為など実際に行われますと、刑法により厳重に処罰されますので絶対に真似しないでください。

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第20話  永久のような一瞬を重ねたい

 

 美姫「それと絶滅危惧種じゃないもーん。それはパンダのことー」

 呑気に美姫は言った。いやいやマジかよ。パンダからテレビで見たことあるやつに変身とか聞いてねぇぞ。芸能人に会ったときはなんて言えばいいんだ。シミュレーションでもしときゃよかった。

 光一「先ほどはすいませんでした! 今までのご無礼をどうぞお許しください!」

 うん。土下座だね。男のプライドなんか捨てたよ。芸能人は、偉い。視聴率1%で約110万人が観てるのである。すなわち社会作るのである。

美姫「わー! やめてよ! 似合わないって!」

 俺の何を知ってるというんだ。

 光一「わたくしは余裕で土下座する男でございます。いや今さっき男のプライドを捨てさせて貰いました」

 情けないでござる。仕方ないでござる。サムライは、残念ながら滅んだのでござる。この国は、外国でいうジェントルマン(紳士)がいたらしいが今は、いないのでござる。

美姫「ねぇ顔を上げてよ。メインヒロインだよ? 困ってるよ?」

 何を言うとるんだ。芸能人。やっぱ普通じゃないのかな?

 光一「わたくしは、芸能人様に非礼の数々を働きました。よって顔を会わせれないのであります」

 メインヒロインには触れないでおこう。

美姫「私はあなたのことが好きなの! 一目惚れなの!」

 ブチッ!  こめかみの静脈が切れる音がした。ような気がした。

 光一「そんな簡単に人を好きになれるかボケがぁ! 一目惚れ? はっ! どこのチョロインだよ? んなのがメインヒロインだと? 笑わせるな! 物語ではな~。飽きられてんだよ! 失せろ!」

 場が凍る。

 やっちまった……。フラれた傷が塞がってないんだよ。

美姫「あはは。だよね。ごめんね。これ連絡先だからさ。受け取ってよ」

 名刺を渡される。俺はなにも言えない。美姫は、とぼとぼと歩きどこかに消えた。

 声「アホ」

 光一「知ってる」

 こうして遊園地での戦いは終わった。

 

永久のような一瞬を重ねたい2

 

 ピース「最近は出番がないっぴ!」

 家に帰って来た俺をピースが向かえる。出番? いや元から無いに等しいだろうが。無視する。

 寝るか。いや連絡するか。メールだと誠意が伝わらんな。電話か。

 プルルルルルルル。

 『はい。美姫です』

 『俺だ』

 『はい?』

 『俺だよ。ごほっごほっ! 風邪を引いてしまってね』

 これで声をわからなくする。

 『マネージャーさんですか?』

 『そうだよ』

 『大丈夫ですか?』

  『大丈夫じゃない。株に手を出してしまい、会社の金を使い込んでしまったんだ。それでな。今日中に500万円を返さないと、会計監査が入ってクビになってしまうんだよ』

 『めちゃくちゃ大変じゃないですか!』

 『そうだよ。だから美姫を頼りたいんだ。いいかな?』

 『今までのご恩があります! 頼ってください』

 『なら今から言う口座に500万振り込んでくれ』

 『わかりました。メモ帳を準備します!』

 アホか。こんなわかりやすい手口見抜けなくてどうする。本当に見抜くのが難しいのは、多人数の人間が出てきた場合だ。警察官と名乗る人間。弁護士を名乗る人間に次々も電話を代わられると見抜くのも難しくなる。録音した機械音声なども使われると厄介だ。それと電話中に効果音を使って劇場っぽく演出したりもするのも厄介。少しでも怪しいと感じたら警察に頼ろう。

 って警察に頼られるんじゃね!?

 『メモ帳を準備しました!』

 アホだった。

 『アホ。名乗ってなかったけどさっき助けた男だよ。名前は神城光一ね』

 『えっ……』

 状況が理解出来ないらしい。

 『今のはおれおれ詐欺の定番ネタらしいぞ。本に載ってた』

 『騙したの!? ひどい!』

 はぁ。

 『言っとくけどな。俺はおれおれ詐欺は許さない。だから対抗策を用意しとくんだ。騙されるやつが悪いなら相手を騙して悪者を成敗しないとな』

 世の中の悪い手口は、覚えておいたほうがいい。全てを潰すつもりでな。

 『カッコいい……』

 『カッコいいカッコよくないじゃないよ』

 ちなみにこんな知識を覚えるのは趣味でもなんでもない。勝手に覚えてしまうのだ。いやはや善良な市民を20年近くやってりゃ余裕で覚えるわ。

 『こうくんは、物知りなんだね。おれおれ詐欺の見抜き方を教えてくれたんでしょ? 優しいね』

 勘違いしてるのか? 気まぐれだよ。 それと。

 『こうくん?』

 『光一くんでしょ? だからこうくん』

 やめろ。あいつと被る。なんで略すんだよ。

 『光一でいいよ』

 『こうくんは私のこと美咲でいいよ?』

 聞いてんのか? 

 『上の名前を教えてよ』

 名刺にはフルネームでは書かれてなかった。偽名なのか。

 『やだ』

 『じゃあ呼ばない』

 用件が済めばそれでいいのだから。

 『やだ』

 知らん。

 『今日は怒ってごめん。それを謝りたかったんだ。それだけ』

 ブツ。通話をきった。寝るか。

 ピース「彼女っぽ? うざいっぽー」

 てめぇがな。

 

永久のような一瞬を重ねたい3

 

 朝になった。寝起きが悪い。いつものことだがそれでもだやい。仕事か……。いくか。

 テレビをつけると見たことあるやつが早速映っていた。そしてすぐ停電。これもいつものことだ。すぐに復旧。

 光一「世の中って案外狭いよな」

 声「価値観は人それぞれだがな。美姫ちゃんを軽くあしらうなんて光一は偉いな」

 光一「どこがだよ。憂さ晴らしに行ったら傷を広げられたって感じの気分だ」

 着信が鳴った。眠いので無視するか。

 ピース「うるさいっぴ!」

 光一「お前がうるさいよ!」

 ムカつくやつだなぁ。出ればいいんだろうが出ればよー。

 『もしもし神城です』

 『おはよ! こうくん!』

 だれ?

 『どなたですか?』

 『忘れたの? メインヒロインだよ!』

 こんな惚けたことを言うやつは一人しかいない。

 『悠愛か?』

 『誰よそれぇぇぇぇぇぇ!』

 違ったらしい。

 『なに。友達のいなさそうな人だと思わせて裏ではそりゃもうブイブイ言わせてるわけ? いや違うわ! あんあん言わせてるわけ?』

 失礼過ぎだろうが。誰が友達いなそうに思わせてんだよ。なにこのテンションの高さ? 朝なんですけど……。

 『悠愛ってのは俺の妹分みたいなやつだよ』

 『悠愛さんって女の子だよね? 多分、下の名前だよね? 私のことは呼ばないくせに。 その悠愛さんはこうくんのことなんて呼んでるの?』

 『パパ』

 『……』

 また失言した……。最悪だ。帰りたい。いやここ家だった。

 『嘘です』

 本当にパパと呼ばれてあるのがつらたん。

 『こうくんは、変態さんってメモっとくね』

 やめてください。

 

永久のような一瞬を重ねたい4

 

 仕事が終わって帰路ナウな俺。もうゲソゲソだ。げっそりの二乗でゲソゲソである。造語でありイカのことを言いたいんじゃない。

 すると俺を見つけたユウトが走ってきた。

 ユウト「元気になったんですか!? 心配しましたよ! 連絡くださいよ~」

 元気じゃねぇし。今日の昼の事務仕事の空気とか最悪だし。パソコンの前で泣きそうなやついるし。ついでに俺も泣きそうだったよ。

 光一「まぁ体調は少しずつ良くなってるよ」

 少しずつな。時間が解決はしてくれそうにないけど。

 ユウト「特訓します?」

 光一「いや。やめておこう。この町が滅んでしまう」

 最近は音速が普通になってきた。爆風を纏うので辺り一面が吹き飛ぶ。

 ユウト「先輩の力、凄まじいですもんね~」

 そりゃ経験値が違うからな。今、能力を使えるようになった少数の一般人でも赤子みたいなもんだ。俺は20数年使ってる。この能力は経験値が物を言う。使えば使うほど強くなる。理由は未だに不明だ。

 ユウト「それより今朝のニュース観ました? 昨日の夜、遊園地で戦闘があったらしいです。謎の勢力バーサス大剣を振るう青年! 先輩ですよね……」

 光一「うん……」

 やっべぇ有名人になりそう。この能力は、謎の光に包まれ覚醒する。何人か研究材料にされたらしいがまったくわけがわからないらしい。警察もお手上げだ。

 ユウト「大々的な活動は控えたほうが……」

 光一「いやわかってるけど俺が行かなかったら全滅してたかもしれない」

 ジャックがいてもキツいだろう。異形種は銃弾すらも効かない化け物だ。

 光一「異形種がまた大規模な戦闘を仕掛けてきたらすぐに呼べよ」

 ユウト「わかりました!」

 仕事が思ったより疲れた。

 光一「帰る」

 ユウト「お勤めご苦労様でした!」

 やめて。他に良い言い回しなかったのかよ。

 

永久のような一瞬を重ねたい5

 

 家に帰って来た。明かりがついている。

 光一「また空き巣かよ。鍵は閉めたぞ」

 声「これはヤバいやつだな」

 この家で能力は使用したくない。野宿なんてこりごりだ。

 足音をたてないように抜き足差し足忍び足で家を歩く。風呂場からシャーっと音が聞こえる。泥棒がシャワー浴びてんのか? アホすぎるだろう。ドアを開けたらMCMAP(Marine Corps Martial Arts Program)の手刀打ちで気絶させるとしよう。もちろん外国産の技だ。この国にも古武術で似たようなものはあるが洗練されてない上に情報が少ない。マーシャルアーツで得た通りなら軽い力で首もとに手刀を当てれば一撃で気絶なはずだ。当てどころを間違うと気絶ではなく失神するらしい。  大変危険な技だ。真似しちゃいけない。

 カチャ! っと小さな音を立ててドアを開ける。 この一瞬で決める! あれっ?

 光一「あれ?」

 悠愛「パパ?」

 産まれたままの姿で悠愛はシャワーを浴びていた。

 ドアを閉める。ドクンドクン。心臓の音がやけにうるさい。

 悠愛「見た?」

 光一「見てない」

 わけがない。なにこのエッ○ラブコメ的な展開は。

 悠愛「パパなら見てもいいよ? あっやっぱりダメ」

 めんどくさいことになった。

 光一「俺は、ビッチでメンヘラで幼女体型で童顔で貧にゅーに興味はない」

 悠愛「でも悠愛には興味があると」

 シカトしよ。今に向かう俺。てか勝手にシャワー使うなよ。それとシャワー浴びるときはリストバンドしないんだな。そう思った。

 

永久のような一瞬を重ねたい6

 

 恒例の土下座タイムである。

 光一「つきだされたいの」

 悠愛「大胆なんだから~」

 勘違いしてるな。マジでこいつがいると18禁になっちまう。

 光一「警察に」

 悠愛「やめてー! 許してー!」

 光一「どうやって入った?」

 悠愛「博士から合鍵借りたの」

 そういうことか。悠愛は、博士に引き取られて研究所で働いてるらしい。

 光一「貸せ。二度と勝手に入るな」

 悠愛「悠愛とパパの愛鍵がぁ~。それならパパの鍵で悠愛をこじ開けてぇ~」

 光一「こじ開けるもなにもガバガバだろうが」

 また失言を……。

 悠愛「パパさ。元気出てきたね。よかったよ。本当に良かった」

 うっ……。まさか悠愛にも心配かけてたのか俺。

 光一「いや心配かけたな。ごめん」

 悠愛「悠愛こそパパを元気にしてあげられなかったよ。ごめんなさい」

 頭を撫でる。

 光一「いいよ。そんなの」

 悠愛「パパぁ~。結婚してぇ~」

 いや感動的な場面ってこういうのを言うんだろうな。

 光一「今は、目の前の犯罪者を一刻も速く警察につきださないと!」

 悠愛「パパぁ!?」

 似合わないからな俺には。

 

永久のような一瞬を重ねたい7

 

 悠愛を研究所に送り届けて帰路ナウ。夜道は危ないからな。

 声「律儀なもんだぜ。今の生活。悪くないって思ってるんじゃないのか?」

 光一「多少は……」

 最近、欠けたばかりなのに……。

 着信がなった。誰かは検討がつく。

 『美姫だよ。今日はお疲れ様でした。明日は、休み?』

 『休みだよ』

 『何かすることある? ねぇ頼みがあるの』

 『することはないよ。聞くだけ聞くよ』

 『デートして?』

 うむ。よく分からないので考えよう。遊園地での出会いを思い出す。アシスタントと一緒。うむアシスタントが彼氏だったんだな。で相手がいなくなったから俺をターゲットにしたと。舐めてんのか。

 『断る! あんたはアシスタントとデートしてただろうが! アシスタントイコール彼氏がいなくなってすぐに新しい彼氏を作ろうとデートに誘う? 舐めてんのか? 赤髪さんはあんたを守って倒れたんだぞ? あんたを守って傷ついたんだ……』

 『ええっ! 違うよ! 勘違いだよ! 赤髪さんは、彼氏じゃない! わがまま言って遊園地連れていって貰ったんだよ』  

 早とちりしてしまったらしい。

 『ごめん。違うんならそれでいい。でも芸能人だろ? 遊園地とかリスキー過ぎるでしょ。勘違いもするって。理由は聞いてもいい感じ?』

 『最近、ショックなことがあったんだよ。泣き顔に注目とか言われてね……。そんな売れ方はしたくなかったんだよ。だから笑いたかったの』

 芸能人も大変なんだな。

 『そうなんだ。ごめんね。よしっ! じゃあ俺が明日、たくさん笑わせてあげるよ!』

 『本当に? デートしてくれるの?』  

 『任せろ! 男に二言はないよ!』  

 『嬉しい……。ありがとね! じゃあ明日の8時に駅前でいい?』

 8時とか早いな。

 『首都の駅前でいいんだよね?』

 『うん! じゃあ明日!』

 『楽しみにしてなよ? また明日』

 通話をきる。

 デートコースを考えなきゃな。

 今日は早めに寝よう。

 眠りにつく前に声が聞こえた。

 声「気付いてるか?」

 

永久のような一瞬を重ねたい8

 

 駅前に着いた。電話をかけるとしよう。

 『着いたぞ。犬の銅像前にいる』

 『今いく!』

 とことこ不審者が近くに来た。

  美姫「お待たせ!」

 サングラスにマスクで。

  光一「……」

 無視しよう。

 美姫「ちょっとぉ~」

 光一「なんなの? その格好は? 変装にも程があると思うんだけど」

 美姫「見つかったらスキャンダルになっちゃうじゃん」  

 はぁー。ため息がこぼれる。

 光一「少し小声でしゃべって。サングラスじゃなくて普通のメガネでいいからかけて。それだけでバレなくなると思う。それと寒くなってきたからマフラー使って」

 メガネとマフラーを渡す。

 美姫「ありがと」

 美姫が普通のめがねをマフラーを巻いた。俺が事前に用意しておいたものだ。マフラーを少し長いやつを用意した。

 美姫「このマフラー少し長くない?」

 気づいたみたいだ。

 光一「俺にも巻いて」  

 美姫「ええ!?」

 光一「いいから」

 美姫が余ったところを俺に巻き付けてくれる。

 光一「口元を隠してね。それでうつ向いてて。出来るだけ俺にくっついてね。それでバッチリだよ」

 美姫「うん……。デート慣れてるんだね」

 マフラーはいわゆるカップル巻き、恋人巻きというやつだ。美咲は、俺の腕にしがみついた。

 光一「慣れてないよ。ただ姫をエスコートしないといけないから下調べしただけ。てかデート慣れてるのはそっちでしょ? ドラマとかでデートもプロでしょ?」

 美姫「そんなプロ嫌だよ」

 嫌でも達人なはずだ。そのおかげで俺も緊張せずに済む。

  光一「んじゃ電車に乗ろうか?」

 目的地にレッツゴーである。

 

永久のような一瞬を重ねたい9

 

 電車内ではたわいもない話をした。

 美姫「こうくんは、どんな仕事してるの?」

 光一「保育園で保母さんしてる」

 美姫「似合ってる!」

 光一「似合ってないと自分では思うけどね」

 美姫「そんなことないよ。こうくんは優しいしきっと子供達も幸せだと思うな~」

 優しいね。どこが。子供達には楽しみながら成長していってもらいたい。幸せだといいな。でもあいつはきっと幸せじゃない。

 光一「美姫は具体的にどんな仕事してるの?」

 普通に気になる。芸能人っちゃどんな仕事?

 美姫「私ってね。内緒なんだけど生粋の芸能人なの。親が芸能プロダクションの社長だから私は、なんでもするよ。親のパイプのおかげでどの芸能事務所とも仲良し」

 化け物かよ。知らなかった。そんな子が。

 光一「いやめちゃくちゃ忙しいんじゃないの? 遊んでる暇あるの?」

 俺だったら倒れるんじゃね。

 美姫「実はそんなことないんだよ。有名な芸能人ほど休みがしっかりしてるの。有名な芸能人が体調崩したとかあんまり聞かないでしょ? 体調管理も仕事のうちなんだよ。もし私が体調崩したら私の責任じゃなくてマネージャーの責任になっちゃうかな?」

 そうだったのか。なかなか説得力があるな。でも昔のアイドルは、ほとんど寝ないで歌を覚えたりダンスを覚えたり大変だったらしい。

 光一「無理するなよ。今日はたくさん楽しもう!」

 美姫「うん!」

 たわいない。という話ではなかった。

 

永久のような一瞬を重ねたい10

 

 目的地についた。

 美姫「ここって……」

 光一「ギネス級の遊園地だよ!」

 この国が誇るジェットコースターとお化け屋敷がある遊園地にきた。雪がまだふってないおかげでまだアトラクションが動いてくれる。

 光一「遊園地さ。邪魔入って最後まで楽しめなかっただろ? 赤髪さんじゃないけど仕切り直しってやつね」

 美姫「やったぁ! 嬉しい!」

 喜んでくれたみたいだ。

 

永久のような一瞬を重ねたい11

 

 ジェットコースターでは。

 光一「……」

 音速で動き回る俺は退屈だった。おせぇ。

 美姫「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 おい。

 光一「大声出しちゃダメだって!」

 口を手でふさぐ。

 美姫「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

 隣にいるやつのせいでそこまで退屈はしなかった。

 

 お化け屋敷では。

 美姫「ねぇここ。廃校だったらしいよ」

 震えがとまらん。

 光一「知ってる」

 冷静にならんと。所詮子供騙しだ。

 足音が聞こえる。辺りは真っ暗。そのなかを二人であるく。

 美咲「怖いよぉ」

 光一「怖がりだなぁ~。よしここは怪談でもしながら歩こうか」

 美姫「やめてよ~」

 定番ネタで。

 光一「ある病院に余命1ヶ月の命って診断された。女の子がいたんだ。友達二人が来たときちょうどお母さんもいた。お母さんは言った。『写真をとってあげるよ』ってね。写真を撮ったお母さんは、友達二人に写真を送ろうと思ってやめた。次の日、女の子が急変して亡くなったよ。友達二人は泣いたよ。でさ友達二人は思い出したんだ。女の子のお母さんが写真を撮ってくれたことに。すぐに友達二人はお母さんから写真を貰ったよ。写っていたのは。女の子二人とミイラだった」

 美姫「はわわわわわわわ」

 怯えている。掴みは、ばっちりだ。

 光一「話はこれで終わりじゃない。怖くなった友達二人は、霊能者に話を伺いに行った。霊能者は、言ったよ。『残念ですが、あなたの娘さんは地獄に落ちました』ってね」

 締めにわぁ! って驚かせてやろうと思ったら目の前には顔が赤く染まった女性がいた。

 『地獄から帰ってきました』

 光一「うぎゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃ!」

 美姫「にゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃ!」

  

永久のような一瞬を重ねたい12

 

 ジェットコースターとお化け屋敷を終えた俺達は遊園地のベンチに座っていた。

 美姫「ジェットコースター乗ってるとき窒息するかと思ったよ」

 光一「いやばれたらやばいっしょ」

美姫「普通ね。お化け屋敷で怪談しないと思うの。気絶するとこだった」

 光一「にゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃ! って猫ですか? ネコノミクスのなせる技ですか。いや俺もまさかあの場面で驚かされるとは思わなかったよ」

 感想をのべる俺達。

 光一「楽しいでしょ? 俺はめちゃくちゃ楽しいよ」

 美咲「楽しくないはずないじゃない」

 笑いかけると笑ってくれる。素直に幸せだなって思った。

 美咲「手洗い行ってくるね」

 光一「いってらっしゃい」

 美咲はそういって手荒いにいった。

 光一「ふぅー。やっぱ緊張しないとは言えないな。芸能人が隣にとか現実かよ」

 声「気づいてるか」

 声が聞こえた。

 光一「いや気づいてない」

 声「あの子との会話の時の光一は声色が優しい。それとだよとかだねとか誰かさんの真似か」

 気づいていた。気づかないようにしてた。

 光一「俺が誰かに優しくしようとするのは、おかしいか? 真似かも知れない。俺にとっての優しいはあいつなんだよ。忘れられるか」

 声「それが本当の光一なのかもな」

 どういう意味だよ。

 声「それと気づいてないことがもう一つある。それは光一以外の誰も気付かないこと」

 美姫「お待たせ!」

 美姫が帰って来た。さてデートの続きをしよう。

 まだ気づいてないことがある? 検討もつかないんだが……。

 

永久のような一瞬を重ねたい13

 

 夜になった。ロマンチックが足りないのでイルミネーションで有名なところに行ってから駅前に帰って来た。

 光一「にしてもばれないもんだね。いやばれたら俺がこの世とお別れしなきゃならんけど。きっと暴動になってたね」

 美姫「そだね。なんか名残惜しいね。暴動って大袈裟だよ」

 大袈裟じゃないし。フルボッコだドンされるわ。

 光一「美姫が暇なときまた遊べばいいよ。俺はなかなか暇な人間だし。そろそろ行かないと仕事に差し支えるよ?」

 美姫「あっ美姫って呼んだ! ありがと! また遊んでね! デート楽しかった! またね!」

 美姫はそういって立ち去った。さて。

 光一「こういう時は、携帯電話でメールやな」

 するとメールアプリがティンティーンと音を立てて着信した。

 光一「んっ?」

 このメールアプリで連絡なんて普段しないのになんでだ? 何故に着信? 画面をみるとMISAKIという人から。

 『こんばんは! てかさっきまで一緒にいたね! めちゃくちゃのくちゃくちゃに楽しかった! 大好き! 愛してる!』

 っときている。おまけにこのメールアプリ特有のスタンプ機能で遊園地のマスコットキャラが『I LOVE YOU』の看板をぶら下げているスタンプ付きだ。

 光一「あはは……。出遅れちゃったな……。なんていい子なんだよ」

 返信しなくちゃな。

 光一「こんなに人生って楽しかったっけ。最近はナイーブ過ぎたかもしれないな。何が起こるかわかんないんだもんな」

 独り言をこぼした。

 

永久のような一瞬を重ねたい14

 

 今日は二回目のデートの日。てか毎日、朝昼晩に連絡してくるんだもんな。多少は感情移入するってもんだ。ユウトも悠愛も俺は少し変わったという。自覚は無いんだけどな。待ち合わせ場所に早めに来た。待たせるより待ったほうがいいからだ。

 声「リア充になったな」

 光一「んなことない」

 どう変わっても俺はあいつを忘れない。職場にいるし。して貰ったことを忘れるつもりはない。ちなみにピースはいつも通りだ。

 声「光一もそろそろ幸せになるべきだ。今まで優しくしたぶん優しくされとけ。大人しくな」

 光一「ずっと幸せってのは続かない。でもな今は凄く幸せだな。こんな日が続けばいい。ありがちな言葉だけどな」  

 今を大事にしなきゃ。

 光一「永久のような一瞬を重ねたい。こんな感情がいろんな人に伝われば平和なんてすぐなんじゃねぇかな?」

 声「ポエマーかよ」

 ポエマーは、正しくない。詩人は外国語でポエットだったはずだ。

 光一「たまには感傷に浸ってもいいだろ。黄昏時じゃないけどな」

 独り言もたまにはいいかもしれない。落ち着くことができる。俺の場合たまにじゃないけど。あの葉っぱを燃やしている人達はいつも黄昏てるのだろうか。スモーカーは、今時だと罪人呼ばわりだ。肩身はそりゃ狭いだろう。本当に酷いと思った。まぁ煙吹き散らすのは感心しないが。時代が進歩してあの煙が悪い影響を及ぼさなくなったらいいなぁっと思う。女性受け悪いらしいし。それもあるが葉っぱの原価率は約17.7%らしい。ほぼ税金である。税金とは国に納める金のことだ。高すぎるだろう。この理不尽な税率は確実に売れるからと推測できる。なぜ確実かと言うと。コンビニのレイアウトが変わるらしい。今は出入り口の近くにレジがあるがレジが奥に移動するらしい。葉っぱを買う人達は葉っぱだけ買う。寄り道させるためだ。他の物を勝手もらうためらしい。ちなみに売り上げは約4倍に跳ね上がるらしい。いや世のお父さん達は給料制だと思うので買うかは知らんが……。まぁとりあいず多いんだよ。

こんなこと考えるようになったのも最近か。

 美姫「お待たせ! もしかして待った?」

 光一「待ってないよ。行こっか」

 お約束の優しい嘘。そのとき。

 

永久のような一瞬を重ねたい15

 

 「貰っていくぞ」

 鎧で武装された男と思われる人影が美姫をさらった。首もとに一撃もらったのか美姫は気を失っているようだ。分析してる場合じゃねぇ。

 光一「てめぇぇぇぇぇ! 返せよ!」

 叩き潰してやる。切り刻んでやる。怒りで我を失いそうだ。

 

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