鳩とオリーブの葉、付け加えるとするなら人間か 第15話 ビッ○メンヘ○チョロイン
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本作品の内容はフィクションです。
登場する人物・団体・地名等は架空のものであり、実在する人物・団体等とは一切関係がありません。
また本作品には過激な表現が含まれておりますが、犯罪にあたる行為など実際に行われますと、刑法により厳重に処罰されますので絶対に真似しないでください。
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第15話 ビッ○メンヘ○チョロイン
やっと思い出した。忘れていたのは鳩のことだ。それと鍵閉めてなかった。保育園から病院に運ばれたんだもんな。にしても。
光一「誰だ! お前はぁぁぁぁぁ!」
心底訳がわからない展開に声をあげる。
ピース「僕を忘れたッポ!? とんだくそやろうっぽ! 腹が減って死にそうだったっポ!」
鳩がなんか言っとる。だが知らん!
光一「てめぇの事は知ってるわ! エサのことは謝る! セットでついてきているこいつはなんだ! パパとか親になった覚えなんかねぇぞ!」
口調が荒くなる。こんな状況で冷静でいられるやつは人間じゃねぇな。
「パパはパパでしょ?」
マジで意味不明である。こんな子は知り合いにはいない。見た目は背が小さい、胸が小さい、童顔、チャームポイント? は左手に巻いてある。リストバンドか。
光一「警察に電話をかける。少し黙れ」
「ちょっとやめてよ! 話聞いて! ねっ?」
可愛く。ねっ? 何て言う幼女体型さん。うぜぇ。
光一「わかった。まずは居間に行こうか。そこで事情聴取を行う。異論はないか? 速攻で極刑に処したいところだが話くらいは聞いてやる 」
俺もつくづく甘いっていうか……。なんかわけがあるだろ。たぶん……。
ビッ○メンヘ○チョロイン2
そして居間で裁判が始まった。
「私は悠愛と申します。神待ちです。てかパパ活してます。結婚してください!」
神待ちとは、救いの手を差し伸べてくれる人を待つという意味である。そしてパパ活とは女性を援助する男性を探しているという意味らしい。
光一「あっ?被告人がなに求婚してんだ! ぶた箱にぶちこむぞ!」
一喝する俺。
光一「ビッチは嫌いなんだよ! 失せろクズが!」
ぶちギレする俺。
悠愛「ヒィィィィィィィィ!」
光一「ビッチやらメンヘラに関わるとなぁ人生が狂うらしいのでなぁ!」
悠愛「弁護士さん! 弁護してぇぇぇぇ……」
泣き泣きで鳩に弁護を頼む悠愛。
ピース「あーオリーブの葉っぱうまうま」
光一「先ほど隠しておいたこいつの餌を開放した。盗み食いのために隠しておいたんだよ。よってこいつは俺の味方だ」
悠愛「それってワイロじゃーん。わーん!」
光一「てめぇに弁護の余地なんかねぇだよ! 嘘泣きはやめろ! 嘘泣きで罪が許されるなら法律なんていらねぇ! 」
なんで俺はロリっ子にこんな事言っているんだろうか。世の中何が起こるかわからんな。
光一「俺は惑わされないからな。情けを乞う姿に!涙して誠意を示すその表情に! 簡単には、許してやらない。まず勝手に家に上がり込むやつにいいやつはいない」
正論を叩き込む。咲希はいきなり押し掛けて来たっけ。はぁー。脳内ため息ついちまうぜ、
とたん服を脱ぎ出す悠愛。
悠愛「体で払うよ。男はこういうのに弱いからね。誘惑という方法で崩落してあげる」
ふざけるなよ。
光一「ふざけるなよ……。ふざけるなよ! 体で払う……だと? そう言うのが一番嫌いなんだよ! この18禁が! 自分の体が安いとか高いとか思ってんじゃないのか? 値打ちが少しでもあると思ってんのか? 俺は買わないぞ! バカにすんなよ! 俺じゃない……お前をバカにするな!」
悠愛「えっ……」
豆鉄砲を食らった鳩みたいな顔してやがる。
光一「確かにお前は俺じゃない! でもな良くないだろ? なんでわかんないんだ! お前はお前だろ! 人生は一度なんだ! 自分のやったことは他人が覚えてなくても自分が覚えているんだよ! 一生消えないんだ……体に心に刻まれるんだよ。時間が解決する? はっ! するわけねぇだろうが! あれは嘘だ。絶対に一生後悔する。覚えていろ。忘れるな」
悠愛「ひぐっ……」
嗚咽をあげている。気づけば悠愛が泣いていた。ユウトに何て言えばいいんだろうな。カッコいい男には本格的になれそうにないな。
光一「なぁ。悠愛って言ったか? そんな人生でいいのかよ……。本当は嫌なんじゃねぇのかよ。それとも男との夜の営みにハマっているのか? 寂しいから抱いてくれる男がいないと嫌なのか? もしそうだったら……」
少し間を空けてから。
光一「お前が悲しめないのなら俺がかわりに悲しむよ。お節介かもな」
悠愛「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
光一「まだ泣けるんだ。枯れちゃいないんだろ? やり直せるよ。手伝うからさ。神待ちもパパ活もやめてさ。もう一回、悠愛を始めよう?」
頭を撫でてあげた。結局、関わってはダメだと思いながらビッチに関わろうとする俺。バカなんじゃねぇのかよ。ダサいな俺さんは……。自分で言ったことをすぐに訂正する。
光一「人はすぐに裏切るよ? でも自分だけは裏切っちゃダメだ。自分を裏切るやつは最低だ。それ以下の下なんてないんだよ」
精一杯の優しい口調でいう。最低の俺が。
ビッ○メンヘ○チョロイン3
悠愛が泣き止んだ。俺は泣き止むまで頭を撫でてあげていた。
悠愛「こんなこと言ってくれる人……。今までいなかったから……。これまで出会ったパパは優しかったけど」
光一「それは悠愛の体が目当てだからだ。優しいに決まってる。決して悠愛を見てたわけじゃない。絶対にそういうやつらは同情なんてしない。確かにしてるつもりのやつもいるかもしれないけど邪な感情を隠せるやつなんてそうはいない」
悠愛「私は変われるかな。金もないし。ホームレスだし」
光一「変わる意志があればすぐにでも変われるさ。そう悲観しなくていい。マイナスの感情があったらだんだん嫌な方向に人生が進むよ? でもプラスな感情があれば人生は好転する! 元気だそうぜ!」
悠愛「ありがとう! パパ!」
おい。
光一「パパはやめろ。それじゃあ変わるもんも変わらないだろ」
悠愛「だって本当のお父さんみたいだもん。男なんてすぐ女の体に目がくらんで……さ……。でもパパは違うじゃん」
ただ女性との関係に疎いだけなんだがな。
光一「男もいろんなやつがいるよ。いいやつだっているからさ。俺はそこに分類されないけど」
悠愛「そんなことない! 私は今……初めて人を好きになったよ! パパはいい人なんだよ! だから結婚して!」
ちょろインかよ。あっ。ちょろいヒロインってことな。いやメンヘラか? メンヘラは、心の病気を患った人ってことだ。あながち間違ってねぇのかもしれない。
光一「結婚はしないぞ? てか宿を用意しないとな」
悠愛「ここがあるじゃない! 愛の巣!」
光一「だまれ」
悠愛「うー」
付け上がらせたらダメだ。調子のらないように厳しくしよう。
悠愛「パパのその冷たい言葉も私には暖かく感じれるよ?」
はぁー。ビッチメンヘラっ子は扱いが難しそうだ。
光一「博士のとこに連れていこう。それがいい」
悠愛「博士? 嫌だよ! 私ここがいい! パパと一緒のベッドで寝るの! そしてあんなことやこん……」
尻を叩く。
悠愛「あん! 気持ちいい!」
変態さんの発言である。
光一「悠愛の近くにいると18禁がうつる。子供と話しにくくなるじゃねぇか」
悠愛「新しい菌? えっと性の病原菌はもってないよ? もう子供のことまで考えてくれるなんて……。私も真剣に考えないと」
脳内マジでピンク色なんじゃねぇのこいつ。
光一「外に出るぞ」
悠愛の手を引っ張って外に出る。
悠愛「あん! 強引なんだからぁ~」
疲れる。一刻も速く研究所というぶた箱にぶちこまないと。流石の博士でもメンヘラビッチ女は、研究しないだろう。
俺は小さい頃一度だけ博士にキレたことがある。実験動物についてだ。主にモルモット、ネズミ、ラットのことである。
『かわいそうじゃないのかよ!』
さも当たり前のように博士は動物に注射した。その動物は二度と起き上がることはなかった。
『失敗じゃな』
『ふざけんじゃねぇ! なんだと思ってんだ! 神にでもなったつもりかよ!』
『仕方ないことなんじゃ。こうでもしないと技術は進歩しないんじゃ』
『何かを殺めてでも進んでいかなきゃならない? そんなのはエゴじゃないのかよ! このエゴイスト!』
『エゴイストというのはな。光一よ。利己主義のことを言うんじゃ。厳密には他人のこうむる不利益を省みず、自らの利益だけを求めて行動する人のことのことを言うんじゃよ。だからワシは違うんじゃ。よりよい世の中になるためにやっているんじゃ』
『そんなのって……じゃあ世の中ってのは何かしらの犠牲を払って平和を保ってるってことなのかよ!』
『知らなかったんじゃな……誰かがやらなくてはならない。誰かがやっているんじゃ』
『嫌じゃないのかよ……』
『嫌じゃ。ワシだって悲しくなるときもある。でもワシの取り柄は研究じゃ。ワシにしか出来ん。出来るのにやらないのは悪なんじゃぞ』
『善と悪なんてわからねぇ。ごめん。文句言って』
今でもモルモットは、かわいそうだと思う。簡単には容認できない。
光一「人間は神なんかじゃない」
そう呟いた。
悠愛「パパは神だよ。私は神待ちって言いながら探してたけどねー」
光一「俺の耳がおかしくなりそうだ」
すると体が吹き飛ばされた。
光一「ふげっ!」
能力を解除していたので大ダメージ。惨めに地べたを這いずりながら顔をあげると騎士型の異形種が立っていた。西洋の剣を持っている。あれで切られてきたら終わっていたな。
それよりも。
光一「悠愛! 逃げろ!」
悠愛に逃げるように催促する。悠愛が震えている。無理もない。
悠愛「パパになにしてんのよ!」
えっ?
光一「キレてる場合じゃねぇ!」
空気読めよ。ヤバイだろうが。
悠愛「パパは私が守る!」
すると悠愛は、高速の蹴りを剣の腹に放った。剣が騎士の手から離れる。流れるような足さばきで悠愛は、騎士に足払いをかけた。倒れそうになる騎士に踵落としを決める悠愛。地面を舐めた騎士に極めつけの踏みつけをかまし騎士は四散した。異形種は、行動停止に陥ると消滅する。このせいでこいつらの正体はわからない。博士が研究出来ないからだ。
悠愛「パパ! 誉めて!」
あのスピード。能力か。
ビッ○メンヘ○チョロイン4
博士とのご対面の時間である。
博士「光一や……。見損なったわい!」
えー。どうしてこうなるのぉ~。
光一「なんでそうなる」
疲れすぎて言葉に力が入らない。
博士「身寄りのない子を家に連れ込んであんなことや! こんなことを!」
あんなことやこんなことが今日、多いな。
悠愛「気持ちかった! パパは夜ねー。スゴいんだよ!」
捏造ナウ。
光一「嘘はやめ」
博士「パパなどと呼ばせて! こんな大人に育つなんて誰が想像すると言うんじゃ! じいちゃんは悲しいぞい……」
言葉が遮られる。
光一「博士。よく聞け。悠愛は、空き巣だ。俺が病院にいる間に家に上がり込んだんだ」
事実言う。
悠愛「パパひどい! こんな可愛い子をいじめて楽しいの!」
光一「ああっ! 泥棒が何いってんだ! ボケが! 正義は俺にある! 罪人は黙ってろ! 二度と喋れないように口をふさいでやろうか!」
俺にはまだ怒る元気があったらしい。
悠愛「ごめんなさい。せめて私の口をふさぐならパパの口で……」
キッと! にらむ俺。
悠愛「うぅ~」
疲れる。もう余計な話はいい。
光一「身寄りがないみたいだからここに来たんだよ。博士ならなんとか出来るかも知れないだろ?」
博士「面倒を持ち込んでいいなんて言ってないぞい」
光一「それと悠愛は能力者みたいだ。さっき俺が異形種に襲われた時に助けてもらった」
悠愛「これで貸し一つって事だよね! 子供一人ゲットだね!」
シカトする。
光一「どうする?」
博士「身寄りがないのぉー」
光一「ホームレスで神待ちやパパ活で過ごしていたらしい。どんなに平和でも後が絶たねぇよな」
博士「そうじゃな。身分を証明することが出来ないんじゃよな? うーむ。同棲は認めんぞい」
光一「願い下げだ」
悠愛「パパぁ~。私の変わるとこ見てるんでしょ~」
無視する。
博士「自己紹介くらいはいただいておくかの」
光一「おい。悠愛。自己紹介しろ」
悠愛「はい! 親はいないよ。えーと見ての通り幼女体型でぇー胸小さいの! でもね! 私は20歳だけどでこの童顔で胸が小さいのがね! ウケるの! 下の毛は……」
バチーん! 勢いよく尻を叩く! これ以上はあかん! 黙らせないと! ってえっ?
光一「20歳だと!?」
博士「合法じゃな」
光一「その見た目で20歳とか嘘言うんじゃねぇ!」
悠愛「嘘じゃないもん!」
光一「証拠がねぇだよ!」
博士「本人が未成年じゃないと言えば合法なのか?」
おい。冷静になんか考えてるぞ。くそじじいが。じゃ! とか消えてるし。
光一「エロジジイ……。なに考えてる。音速使って研究所に破壊のかぎりを尽くしてやろう」
博士「やめい! いやな光一よ。お主は結婚とか考えんのか? 目の前にいい相手がいるんじゃぞ?」
悠愛「えっへん!」
無い胸をはる悠愛。
光一「好き合ってないのに結婚できるか! 出来ちゃった婚とか俺が嫌いなの知ってるだろ? 子供がかわいそうだ」
悠愛「しゅん……。いいのよ。今から口説けば振り向いてくれる! これからラブストーリーが幕をあけるのよ! ヒロイン悠愛! がんばる!」
しゅん……とか口に出すやつ初めてみた。
悠愛「ちなみにチャームポイントは、左手のリストバンド! かわいいでしょ! 時計の代わりにもなるんだよー。そりゃ!」
悠愛がリストバンドを触るとホログラムが写し出された。地面に光が当てられ時間が写し出されている。
光一「便利……かもしれないな……」
どうでもいい機能。
悠愛「しかも防水! もふもふだけどねー水弾くの!」
光一「あっそ」
悠愛「冷たいんだ~。う~」
下らないことに時間をとったな。
光一「悠愛は置いていく。博士に後は頼んだ! ではな!」
逃げるが勝ちである。
博士「光一や。人生の最後のモテ気かもしれんぞ。結婚してしまえ。それとも好きな子でもいるのか?」
光一「いるよ」
博士「ほぇ?」
悠愛「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
まずったぜ。口走ったぜ。てか悠愛がリステリーだ。大声でわめく様である。怖い。
悠愛「パパは私の物……。誰よぉぉぉ! 泥棒猫はぁぁぁぁぁ!」
恐怖である。
ビッ○メンヘ○チョロイン6
すたこらさっさーっと家に帰って来た。出迎えてくれるのは鳩。
ピース「ちゃんと謝ってほしいっぴ」
光一「悪かったよ。いや俺の人生におけるお前の出番少なすぎでさ~。忘れてたわ」
てへっ! 軽く舌を出す。
ピース「きもいっぴ。光一もいつか僕の存在に感謝する日がくるっぴ」
ねぇだろ。鳩に何が出来るっていうんだ。重要な場面での登場には期待出来なさそうだ。
光一「せいぜいその時は俺だけじゃなく世界まで救ってくれなぁー」
ピース「任せておくといいっぴ!」
体は小さいが態度はデカいな。悠愛もか。
声「光一は、好きな子がいるらしいぞ」
余計なことを。
ピース「弱味を握ってオリーブの葉をせがむ。いい手だっぴ」
うぜぇ。
光一「握りつぶされたいのか? 俺の能力つきの怪力抜きでもピースなんぞペシャンコだ」
ピース「ヒィィィィィィィィ! 動物愛護団体につきだしてやるっぽ!」
光一「あっ?」
指をポキポキ鳴らす。
ピース「冗談っぽ」
潔いやつばかりで助かる。
光一「それにしても好きな子ね。21歳って結婚について考えるとしかねー」
声「付き合ってるやつがいないのはヤバいかもな」
光一「天涯孤独でいいなんて思ってたのに……。あいつが俺に優しくするから勘違いしちまうんだよ」
声「言わないと伝わらないぞ」
光一「わかってるさ」
近々、俺はあいつに……。
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