Peace Ex Piece

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鳩とオリーブの葉、付け加えるとするなら人間か 第22話 マスターピース

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本作品の内容はフィクションです。
登場する人物・団体・地名等は架空のものであり、実在する人物・団体等とは一切関係がありません。

また本作品には過激な表現が含まれておりますが、犯罪にあたる行為など実際に行われますと、刑法により厳重に処罰されますので絶対に真似しないでください。

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第22話 マスターピース

 

 ここはどこだ?

 気づくと真っ白な世界に一人棒立ちしていた。

 いや一人じゃない。目の前にもう一人いる。

 光一「誰だ。お前はここがどこかわかるか?」

 問う。

 「いつも一緒にいるのにわからないのか? それと、この世界はお前の世界だ」

 この声は……。いつも聞こえてきた謎の声じゃないか。見ると俺より少し年上に見える青年が立っていた。髪の色は黒髪……顔は……俺に似ている。

 光一「いや質問に答えきれてないだろ。誰だって聞いてるのに……」

 てか俺の世界って。

 「つれないねぇ~。せっかく顔会わせたってのにさぁ~」

 光一「いやなにその喋り方!?」

 なんか適当なやつだな。

 「いやこれが俺の素の話し方ね? この口調で光一の話してたら絶対移るじゃん? よくねーわな~それじゃ」

 なにこの人。

 光一「あーとりあいず何で俺はここにいるんだ?」

 さっきまでぶちギレだった俺だがこいつの口調のせいで少しは冷静になったかもしれない。

 「殺したいんだろ? あの鎧の男を」

 光一「当たり前だ」

 即答する。

 「ダメだ。殺させない」

 否定された。

 光一「はっ? 何でだ! 美咲がやられてんだぞ! とっとと元の世界に戻せよ!」

 意味がわからない。

 「なぁ光一はさ? 犯罪者になりたいん? 一人だけならって思ってる? そう思ってるならもう悪人だぞ」

 なっ……。

 「ゲイシーを初めて見たとき光一は果敢にも戦いを挑んだよな。それは悪を許せなかったからだ。今まで大勢にボコられても手を出さなかった光一が戦ったんだ。善意でな」

 そうあの時……子供の母親の涙を見た俺は果敢ではなく無謀にもゲイシーと戦った。返り討ちにされたけどな。

 「けどそこから自分には力があるって思い込んだ。なぁ平和な世の中なんだ。別に戦う必要なんかないんだぞ」

 殲滅兵器がなくなった今、世界は確実に平和に向かっていると思う。

 違う。

 光一「ジャックと戦ったときわかったよ。殲滅兵器があろうとなかろうと平和なんか訪れない。そもそも望まれてるかすらさなかじゃない。現に俺の能力が物語ってるだろ?」

 「気づいていたか……気づくべきではなかったんだけどなぁ~。その能力は人為的に作られた代物なんだよ」

 気づかないわけがないだろうに。

 光一「これが何か知ってるのか?」

 「うーん。光一が知る必要はないね。だってここで消えるからさ!」

 目の前に来た声の主は、俺に左ストレートを打ってきた。咄嗟ことで反応出来なかった俺は見事に命中。

 光一「ぶへぇっ! 何すんだよ!」

 「体を受け渡せって言ってんだよ」

 体を……?

 光一「渡すかよ!」

 体制を立て直して。

 光一「ごふっ!」

 ボディーブローを決められた。

 「反撃をしようと思っても無駄。だってオレは光一の代わりに戦ってきた。ヤンキーに絡まれて光一が気絶した時も」

 痛い。ヤンキー連中が俺を苛めの対象にしなかったのはこいつのおかげってわけか。いきなり大勢に『借りを返しにきたぜ』的なの言われたのを思い出した。なんもしてねぇのにって思ってたのに。

 「ジャックとの戦闘の時も」

 あの時もかよ。

 「俺が代わりに戦ってきた! 誰にも気付かれないさ! いや博士は、俺の存在を知ってたけどな」

 博士が知ってた……?

 「なぁ何でこの体はオレの体じゃないんだ? なんでオレは……」

 知らねぇよ。わからない。こいつが何者なのかも。

 「光一は、知らないんだったな。これが最後だから教えてやるよ」

 知らないことばっかりだ。

 「なんで善行にこだわる? 理由は簡単。捨て子だからだ。これも気づかないふりしてたな~」

 光一「捨て子……」

 「オレは少し光一より年上なんだよ。実の兄貴やな。でもオレはこの世にはいない。もういないんだよ」

 いない?

 光一「なんでいない人間がここに? 俺のなかにいるんだよ? これも能力のなせる技か?」

 「いやそんなご都合のいい話じゃない。オレは光一に臓器を提供したんだよ。臓器移植をすると記憶転移が起こるって知ってるか? サンプル少ない話なんだけどな。それと同時に光一は解離性同一性障害を患った。多重人格もとい二重人格だな。外国語だとDissociative Identity Disorderを略してDIDだ。オレが喋っているとき光一は喋れない。一つの口しかないからだ」

 これも薄々は気づいていた。ただ俺は……。

 「また気づかないふりかよ。そりゃダサいよな。カッコいい男だと思われてるんだから」

 見栄くらい張りたいだろ。

 「なぜふりを続けたのか。認めたく無かったんだろ? 寂しがり屋だってことを」

 図星だった。独りは嫌だ。

 光一「独りぼっちは懲り懲りなんだよ」

 「認めたな? それでいい。でもその思いが俺を今まで繋ぎ止めたんだ。でも……もうおしまい」

 光一「俺の体を乗っ取るのか……?」

  「あーさっきのは嘘! 確かにオレも悲観した時期はあったよ。でも臓器提供決めたのはオレだから。オレは長く生きれない体だったからそれで良かったんだ。光一は心臓さえ移植すれば普通の人間とは変わらないから」

 嘘かよ……。

 光一「なんでお前も俺も生まれながら重症なんだよ」

 「それは光一が突き止めること。てかその方法もわかってるんだろ? こんなところで油売ってる場合じゃない」

 光一「決め手がない……」

 「鎧の男も異形種作れるだろ? 多分だけど。そこからの情報なら決め手が作れる」

 そういうことか。もしかしたら。

 光一「流石だな。兄貴」

 「初対面で兄貴なんて呼ぶもんじゃないぞ」

 光一「それじゃさっそく元の世界に……」

 「ダメだ。今の光一じゃ勝ち目がない」

 光一「だったら! どうしろと」

 「さよならだ」

 えっ?

 光一「どういうことだよ!」

 「オレの全てをやる」

 光一「いらない!」

 消えるってのか?

 「どのみちオレは長くないんでなぁ~」

 光一「どうして! 俺を独りにする気かよ! 能力しか取り柄のない俺を励ましたのは兄貴だ! 兄貴がいたから未来にも希望が持てた! 兄貴がいたから保母にもなれた! 自信もなくて劣等感ばかりの俺なんかに声をかけ続けたのは兄貴だ! 」

 声と涙が溢れた。今しか言えない……から……。

 光一「俺が独りじゃないって思えたのは兄貴がいたからなんだよ! 勝手に消えようとするなよ! 俺の側からいなくなるなんて認めてない! ずっと一緒なんだよ! これまでも……そしてこれからも!」

 嫌だ。俺は声に助けられてきたんだ。運命共同体だって勝手に思ってた。

 

 「光一はもう独りじゃない。咲希もユウトも悠愛も美姫も子供達もいる。おまけのピースもな」 

 

 俺にはもう仲間も友達も……。

 

 「気づいてなかったかもしれないけどオレの口数が減ってたんだぜ。光一が気絶したとき。睡眠中がオレの出番だった。本を読み漁り、博士と能力開発をし筋トレもした。寝起きが悪いのは悪かったな。これからは寝起きがいいぞ」

 

 そんなことまで……。

 

 「置き土産はちゃんとやるよ。この力で終わらせるんだ。光一しか出来ないんだぞ? 使命とも宿命とも言っていいくらいに。大丈夫だ。あと少しで謎は紐解かれる。俺達の出生と共にな」

 

 光一「いなくならないでくれよ! 嫌だって言ってるだろ!」

 

 「往生際が悪いなぁ~? 男だろ? 大人は嫌いかもしれないけど光一も立派な大人だ。なら……

 男を見せろ! 全てを守り通せ! 立ちはだかる敵には床を舐めさせろ! 独りじゃないのも楽じゃないかもしれないけどきっと楽しいから……あぁー言っとかないとな。

 ありがとう。楽しかった。もう存在しちゃいけないオレが少しの人生を弟の側で過ごせてよかった。残せるのっていいよな思い出をさ」

 

 涙が止まってくれない……。

 

 「最後は笑ってさよならしよう」

 

 出来るかよ……。

 

 「あはは……。オレも難しいな。でも兄貴だからな。背中見せてあげないとな。バイバイ」

 

 兄貴は笑った。もう顔がぐちゃぐちゃで見てられねぇって。

 

 「パスワードは、マスターピースだ」

 

 兄貴が消えた。

 

 マスターピース2

 

 気づくと喉元に剣。戻ってきたみたいだ。

 遅い。俺は喉元に迫った切っ先をかわすと同時にガラハッドの腹に蹴りを入れた。

 ガラハッド「なにっ!?」

 鎧の頭のせいで表情がわからない。戦いにくいな。

 でも今の俺はまるで宙に浮いてるが如く軽い。自分の体じゃないみたいだ。

 光一「そうか。兄貴の力が使えるようになったのか……」

 頬を伝う雫はまだ止まってはいなかった。

 構わない。剣を上空に投げ飛ばした。

 パスワードを言う。

 光一「マスターピース(最高傑作)」

 大剣が砕けて中から二対の剣が現れた。色は金と黒。俺の髪の色と兄貴の髪の色だ。

 落ちてきた剣を両手に握る。軽すぎる。

 ガラハッドが迫ってきた。だから遅いって。

 試し斬りといこうか。

 一撃目は、体制を崩すために使った。

 二撃、三撃は、両腕の鎧を破壊した。

 四撃目は、頭の鎧を破壊した。

 五撃目からは連続で突きを繰り出した。

 ラストは、大きく蹴り飛ばした。

 右利きなのに左腕が動いてくれる。これも兄貴のおかげか。

 光一「ガラハッド。あんたに聞きたいことが出来た。とっとと動けなくなって貰うぞ」

 もうボロボロなガラハッドが起き上がる。

 しぶといな。

 ガラハッド「あははははははは! それが汝の本気か! 面白い!」

 俺はもうガラハッドの目の前にいた。片膝ついているガラハッド目掛けて剣を振りかざす。

 ガラハッド「エレメントゥム! アバタール!」

 俺の剣は空気の壁によって防がれた。そして横に出現したお馴染みの異形種が攻撃してくる。

 邪魔だ。一撃で粉砕する。

 ガラハッドには距離を取られた。まぁいい。

 エレメントゥムは、属性のことだな。

 アバタールは、分身。

 どんな手札があろうが全て捻り潰してやる。

 ガラハッド「はっ!」

 風、火、水を纏った斬撃が飛来してきた。避けるまたは剣で相殺する。分身も次々と沸いてくる。

 光一「耐えきれるかわからんけど。試してみるか」

 目の前のアバタールを大きく振りかぶった突きで破壊した。そのまま剣を投擲した。

 今の俺なら音速を越えれる。光速までたどり着いたはずだ。剣が耐えれるのは数メートルだろう。あの剣が丈夫だったら今ごろこの星を何周してるんだろうな。

 ガラハッド「があぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 命中。貫かせてくれないのは助かるな。こっちは殺すなと言われてる。

 

マスターピース3

 

 ボロボロのガラハッドの喉元に切っ先を突き立てる。

 光一「さぁ吐いてもらうぞ」

 ガラハッド「お見事だ。私を負かしたやつはゲイシーのみだったんだがな。誇ってよい」

 光一「無駄話はいい」

 剣を皮膚に食い込ませる。

 ガラハッド「詳しい話は国王から」

 視線を感じた。顔を上げるとそこには。

 「こんなことになってすまない。説明をするからガラハッドを殺さないでくれるか? 女の子ならここにいるよ」

 なんで……。

 あんたは生粋の善人で。珍しく好きな大人だったのに。なんで!

 光一「何してるんですか……。園長先生」

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