Peace Ex Piece

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鳩とオリーブの葉、付け加えるとするなら人間か 第13話 上の名前で呼ぶと他人行儀。下の名前で呼び合うと?

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本作品の内容はフィクションです。
登場する人物・団体・地名等は架空のものであり、実在する人物・団体等とは一切関係がありません。

また本作品には過激な表現が含まれておりますが、犯罪にあたる行為など実際に行われますと、刑法により厳重に処罰されますので絶対に真似しないでください。

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第13話 上の名前で呼ぶと他人行儀。下の名前で呼び合うと?


 こいつは確か安藤咲希。俺が人を寄せ付けないようにしてるのに馴れ馴れしくしてくるやつだ。

 「応援なんかいらん。帰れ」

 「いやー」

 うぜぇー。知らんぷりして俺は鍵盤を叩くのを再開した。

 「その弾き方じゃ疲れるよ? プロじゃないんだし大袈裟に弾く必要なんてないんだから」

 そう言ってまた手の甲にコインを乗せてくる。

 「いや邪魔するなら帰れよ」

 「だ~か~ら~! 手の甲にコイン乗せながら弾いてみなよ。 落とさず弾けたらもっと上手く滑らかに引けるよ? それとこれ!」

 安藤がカバンから何かを取り出した。

 「これはメトロノームだよ! 音楽やるなら必須! 使い方教えるね!」

 

上の名前で呼ぶと他人行儀。下の名前で呼び合うと?2

 

 「おおっ! なんかいつも出来なかったのに出来る!」

 「ほらね? こうちゃんは頭良いんだから余裕だよ」

 「こうちゃん?」

 「光一だからこうちゃん!」

 呼び捨てを通り越してあだ名……。

 「私のことは咲希ちゃんって呼んでね!」

 「わかったよ。安藤。今日のことは感謝してやる。今後一切俺に関わるな」

 「やだ! なに一匹狼気取ってんの! そんなのかっこよくないんだから!」

 「あーうるさい」

  「うるさいのはわかったよう。だからお願い。咲希って呼んで? 上の名前って他人行儀じゃない? 私そういうの嫌なんだ」

 「他人だろ?」

 「友達ね?」

 「お前めっちゃ友達いるだろうが。欲張るな。これ以上はいらんと思え」

 「私の事知ってるの?」

 「名前は安藤咲希。成績優秀。友達多し。そしてめちゃくちゃモテる。校内で告白現場を数回見たんでな」

 「知ってるんだ! 何気に詳しい! うれしーい!」

 テンションが高い。

 「だからもうお前にはもう友達はいらないんだ。友達100人出来るかな? とか考えていたら本当の友達の一人も出来やしないぞ。友達なんてのはな本当の友達一人いれば事足りるもんさ」

 「友達いないくせに語ってやんのー」

 グサッ! 俺の心に矢が刺さったぜ。ガラスのハートは矢を弾いてくれたりはしないようだった。

 「うるさい」

 「こうちゃんのさ~本当の友達になってあげるよ」

 「いらねぇよ。俺にはそんなの」

 「いるの! 必要なの! 人は一人じゃ生きていけないんだよ!」

 「勝手に一人にするなよ」

 「私は諦めないから!」

 そう言うと安藤は去っていった。

 「ごめんな。咲希。本当はすごく助かったよ」

 すると教室のドアからピョコっと咲希が顔を出した。

 「咲希って呼んでくれた! あー! 嬉しい! 独り言のその癖直さないでいいよぉ! またねー!」

 そう言うと咲希は今度こそ姿を消した。

 「マジかよ」

 「油断したな。光一さんよぉー」

 なかなかの策士っぷりに唖然とする俺氏。なんだか咲希とは長い付き合いになる気がした。

 それにしても上の名前で呼ぶのは他人行儀に聞こえるのか。俺と咲希はもう他人じゃないのか?

 

上の名前で呼ぶと他人行儀。下の名前で呼び合うと?3

 

 次の朝、事件が起きた。

 俺は休みなのでとなり街に出掛けようと市内電車乗り場にきた。となり街に行くには市電を使って鉄道が走っている駅まで行かなければならない。その鉄道を使ってやっととなり街までいけるわけだ。

 「おい……。カラス……。そのままじゃ跳ねられちまうぞ」

 カラスが線路に横たわっている。

 『カー! カー!』

 鳴きながら。ケガをしているのかバタバタと翼をはためかせても飛べていない。体がずれていってこのままだと車にひかれてしまう。

 なんでみんな何事もない顔してんだよ! 市電を待っている人は携帯をいじったり本を読んだりして見て見ぬふりをしている。

 カラスの目が俺に向けられた。

 『助けて』そう言っている気がした。

 「くっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! 絶対にお前を助けてやる!」

 俺はカラス目掛けて走った。ラグビー選手さながらのダッシュをかましカラスを懐に抱え込む。カラスは暴れるがお構いなしだ。能力で痛みは緩和されている。道路からカラスを救出し。俺は。

 「はぁはぁ。どうしたらいい」

 経験がなかったから戸惑った。

 「動物病院に保護してもらおう」

 興奮気味なのか声に出してしまう。

 今時の携帯電話はネットが使える。即座に近くの動物病院に電話した。

 プルルルルルルルルル。繋がらない。

 「休みだって言うのか!? くそっ!」

 次は警察だ。

 プルルルルルルルルル。プツ。

 出た!

 「すいません。神城光一と申します。市内電車乗り場でケガしたカラスを保護したんです。どうすればいいのでしょうか?」

 「また迷惑電話か。すまないね。神城光一くんって言ったね? そういう電話は市役所に電話するもんだよ」

 ブツ。一方的に切られた。これだから大人は嫌いだっていうんだよ! 次は市役所か!

 プルルルルルルルルル。プツ。

 おしっ!

 「すいません。神城光一と申します。市内電車乗り場でケガしたカラスを保護したんです。このカラスを保護して貰えませんか?」

 「神城さん。カラスは害獣の区分となっております。保護することは出来ないのですよ」

 いい加減腹が立ってきた。

 「だったらどうしろっていうんだ! 見殺しにしろとでも言うのはお前はぁぁぁぁぁ!」

 ブツ。切られた……。

 「ごめんな……。そんな助けてって目を向けられても俺にはどうすることも出来ないんだよ」

 気づかなかった。そして今気づいた。俺は泣いている。

 「痛いだろ……。でもさ人間はお前を助けることが出来ないんだ……」

 『カー! カー!』

 道の脇に抱えていたカラスをおろす。

 「無力だよな……。力不足だよな……。絶対に助けてやるなんて言っておきながら無責任だよな。人間にとってお前は害獣なんだってさ……」

 知らなかった。知ってたら俺はあいつらと同じで見て見ぬふりをしたのか?

 「お前が苦しんでいても誰も助けてあげれない。 生まれ変わるならさ人間になれよ。ダメか。お前は人間を許さないもんな。ごめん! 謝ることしか俺には出来ないよ」

 どうすればよかった?

 「カラスは人間の言葉がわかるんだっけ……。すごく頭いいんだよな。今の世の中はお前にとってはまったく平和じゃないんだよな。ごめんな。俺がお前の立場だったら許せるはずがないよ。世の中も目の前にいるやつもさ」

 

上の名前で呼ぶと他人行儀。下の名前で呼び合うと?4

 

 咲希「バカ! 起きてよ!」

 光一「いたっ!」

 頭を叩かれたみたいだ。

 光一「なんだよ暴力女」

 咲希「私がピアノ弾いてる最中に寝ないで!」

  光一「聴き浸っていたら寝ちまったんだよ。心地よいって意味なら最高だろ?」

 咲希「……」

 様子がおかしい。なんか咲希の顔が変だ。

 光一「なんだ?」

 咲希「こうちゃん……。泣いてるよ」

 光一「えっ?」

 手で目もとを拭うと水滴がついていた。というか涙が止まらない。

 光一「バカっ! 見るな!」

 顔を隠した。

 咲希「どうしたの? 悲しいことがあったの? 言ってよ。友達でしょ」

 光一「夢を見たんだ。初めて咲希を咲希って呼んだ日のことを」

 ピアノを聴いてたからだろう。夢は深層心理を見るという。自分を見たということか。

 咲希「なんで私を名前の呼んだ夢みて泣くのよ! 最低! そんなに嫌だったの!」

 光一「違うってそれと一緒に嫌な夢を見たんだよ」

 俺は助けれなかったことを後悔してるのか。

 咲希「そっか」

 咲希はそう言って俺を抱き締めた。

 咲希「こうちゃんはさカッコいいから涙我慢してるんでしょ? 顔は隠してあげるから今ならカッコ悪くなってもいいよ」

 恥ずかしいと思った。でも俺は……。

 光一「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 カラスを見殺しにしてしまったのが辛かった。号泣してしまうほどに。

 咲希が友達で良かったと心底思った。

 

上の名前で呼ぶと他人行儀。下の名前で呼び合うと?5

 

 光一「さっきは……。なんつーかごめん」

 自分の心がこんなにも脆かっただなんて。

 咲希「いつでも胸貸して上げるよ」

 園児(男)「俺にも胸貸して。かーちゃんの飽きたよ」

 園児(女)「咲希お姉ちゃんって結構大胆だよねー」

 咲希「そういう意味で言ったんじゃない!」

 どんな意味だよ。でももう金輪際借りるつもりはない。金輪際とは決してとか二度ととかそういう意味だ。

 光一「マジで悪かったから埋め合わせはするよ」

 咲希「なにタカろうかなぁー」

 ちなみにねだるという意味。

 光一「タカるとかやめろ。園児が真似するだろ」

 咲希「うっふふふふふふ」

 はぁー。でも恩は返さなくてはな。

 少し時間があるのでボール遊びでもしよう。

 光一「みんなまだ動き足りないんじゃないのか? ピアノもよかったけど体動かさないとな! 外に出るぞ!」

 

上の名前で呼ぶと他人行儀。下の名前で呼び合うと?6

 

 ボール遊びをして何分かたった。

 俺は見るだけだ。遊びながら見てもいいんだが眠いので動かない。すると園児の一人が飛んできたボールを掴み損ねた。ボールは幼稚園の場外まで飛んでいってしまう。

 園児「あー! ごめんね! 取ってくる」

 光一「俺が行く」

 聞く耳を持ってくれない園児が外に出ようとしている。俺は走った。ったく世話が焼ける。

 幼稚園出入り口前にボールはあった。園児はボールを拾った。その時に『プー』っと音がなった。俺はヘッドスライディングをし園児を抱え込む。見えたのは今まさに俺をひこうとしているトラック。さっきの音はクラクションだったわけか。これは流石に終わったな。

 最後に思ったことは咲希に言っておけばよかったということ。なにを……。

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